3匹のきつね
昔々あるところに一人のやさしい女の子がいました。
女の子の住む村には、こぎつねが三匹いて、
毎日のように干し草や畑の野菜を盗んでいったりして、みんなを困らせていました。
ある日、女の子が森へ出かけていくと、こぎつねが三匹、向こうからやってきました。
きつねたちは言いました。
「お嬢さん、お嬢さん。
その手にもっているお花をちょうだい。」
女の子が持っていた花は、花束を作ろうと、やっと見つけた花でしたが、
「いいわ、きつねさん。 お花をあげる。
わたしが花束を作らなければいいんだもの。」
と言って、お花をあげてしまいました。
きつねたちは、ありがとう、と笑って帰っていきました。
女の子が村に帰ると、村の人たちは口々に言いました。
「お嬢ちゃん、なんて ばかなことをしたんだい?
いたずらきつねは、お花がほしいんじゃなくて君を困らせたかったのさ。」
でも女の子は気にしませんでした。
「それでもいいわ。
それを きつねさんが やりたかったならね。」
次の日、女の子のお家にひとりのお客さんがありました。
お客さんは、女の子のお部屋に上がると、たちまち一匹のきつねになりました。
「お嬢さん、昨日はありがとう。うれしかったよ。
お礼にね、お願いをひとつかなえてあげる。」
そこで女の子は、お願いをしました。
「じゃあ、今年も村が豊作でありますように、お願いするわ。」
きつねはそれを約束して、帰っていきました。
女の子はまた森へ行きました。
すると、また三匹のこぎつねがやってきて、言いました。
「お嬢さん、お嬢さん。
その手にもっているサンドイッチをちょうだい。」
そのサンドイッチは女の子のお昼ご飯でしたが、きつねたちにあげました。
「いいわ、きつねさん。
わたしがお昼を我慢すればいいんだもの。」
村に帰った女の子は、またみんなに言われました。
「お嬢ちゃん。また いたずらきつねに あげたのかい?
あいつらは、君を困らせて喜んでいるんだよ。」
でも女の子は言いました。
「いいのよ。それであの子たちがいいのなら。」
次の日、女の子にひとりのお客さんがありました。
お客さんはまた、きつねの姿に戻って言いました。
「お嬢さん、昨日はありがとう。とってもうれしかったよ。
お礼にお願いかなえてあげるよ。」
女の子はお願いをしました。
「じゃあ、この村がいつまでも平和でありますように、お願いするわ。」
きつねはそれを約束して、帰っていきました。
次に女の子が森へ行ったとき、村の人は、女の子の後をこっそりついていきました。
もしかしたら、いたずらぎつねを つかまえられるかもしれないと 思ったからです。
そして、こぎつねたちが向こうから歩いてきたとき、村の人々は飛び出して、
こぎつねたちを つかまえてしまいました。
そして こぎつねたちは、おりに入れられて、広場につれていかれました。
「この いたずらぎつねたちめ、今日という今日はゆるさないぞ。
待ってろ、今お仕置きをしてやるんだから。」
きつねたちは、おりの中で泣き出しました。
そんなきつねたちを見て、女の子は聞きました。
「ねえ、どうしてたくさんいたずらをしたの?
わたしのお願い聞いてくれる、やさしいきつねさんなのに。」
きつねたちは言いました。
「野菜を勝手に持っていってごめんなさい。」
「でもぼくたち、みんなのお願いかなえたかったんだよう。」
「なにかをもらわないとお礼ができないじゃないか。」
「じゃあ あなたたちは、お礼をするために、野菜を勝手にもらっていったの?」
「「「そう。」」」
村の人々はこれを聞いて、すっかり気が変わりました。
「なんだ、そうだったなら、お仕置きはなしにしよう。
もう野菜を盗まないと約束するなら、なかよくしよう。」
それからきつねたちは、村人たちと仲良く暮らしました。
村人たちはきつねに野菜をあげました。
きつねたちはみんなのお願いをかなえたり、畑仕事を手伝ったりもしました。
そのおかげで、村は毎年豊作で、いつまでも平和でした。
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