文学史 一学期期末範囲
詩歌
漢詩文
中国文化摂取への意欲が高まる→唐風謳歌の時代(国風暗黒時代)
初期 ―公的地位の確立
『凌雲集』『文華秀麗集』『経国集』が編集される
中唐期の華麗な詩風の影響が強い
七言詩が多い
空海『性霊集』、菅原道真『菅家文草』は後世に大きな影響を与えた
中期以降 ―衰退
文章経国の理念が形骸化
かな文字の発達や遣唐使廃止など、国風文化に対する自覚が高められた
藤原明衡『本朝文粋』…平安前期以来の主要作者の詩文
和歌
国風暗黒時代には私的な文学として生き延びた
和歌の復興
国風文化再認識の風潮の中、公的な場にあらわれるようになった
かな文字の普及により、女性を中心に私的な場に広がった
→歌合が催され、公的な文学としての地位を再び確立
『古今和歌集』
紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑 撰
成立、内容
最初の勅撰和歌集
「仮名序」と「真名序」が付されている
仮名序…和歌が漢詩と対等の文学であることを主張
歌風の変遷
第一期 ―詠み人しらずの時代
素朴な五七調の歌が多い
第二期 ―六歌仙の時代(在原業平、小野小町など)
七五調が優勢になる
縁語、掛詞などの表現技巧が駆使される
古今集の歌風がほぼ確立
第三期 ―撰者の時代
古今集歌風の完成期
修辞が多様、表現技法は一段と洗練
勅撰和歌集の展開
梨壺の五人と呼ばれた人たちが『後撰和歌集』撰進
古今集時代のものが中心、物語化の傾向
平安中期、一条天皇の時代に『拾遺和歌集』撰進
『古今集』『後撰集』『拾遺集』を三代集といい、後代に大きな影響を与えた
平安後期、藤原通俊により『後拾遺和歌集』撰進
女流歌人の歌を多く収める
源俊頼により『金葉和歌集』撰進
当代の歌が多く、連歌も収められる
藤原顕輔により『詞花和歌集』撰進
源平の騒乱の後、藤原俊成により『千載和歌集』撰進
余情、幽玄の世界を理想とする傾向を反映
『古今集』以下七つと『新古今集』を加えて八代集という
『古今集』後の歌人と私家集
『拾遺集』 時代 ―藤原公任、曽根好忠、和泉式部
『後拾遺集』時代 ―源経信
『金葉集』 時代 ―源俊頼
『千載集』 時代 ―藤原俊成『長秋詠藻』、西行『山家集』
歌合と歌論
「亭子院歌合」「天徳内裏歌合」のころから文学的色彩を強める
→歌論と結びつくようになる
藤原公任『新撰髄脳』、源俊頼『俊頼髄脳』、藤原俊成『古来風体抄』など
いずれも実作に即しながら、和歌の本質や理念に説き及んでいる
物語
かな文字が発達、普及すると古伝承の型に依拠した新たな文学形式が生み出された
作り物語と歌物語
作り物語…現実とは別次元の世界を描く、伝記性の強いもの
『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』など
後者二つは系譜を引きつつ現実性、写実性を強める
歌物語 …歌を中心とする独自の世界を構築
『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』など
『竹取物語』
現存最古の物語
虚構を踏まえることにより人間世界の実相を鮮やかに捉えている
『伊勢物語』
在原業平を主人公とし、歌を中心とする叙情世界を形作っている
男女間の純愛を中心とする話が多い
『源氏物語』 紫式部作
作り物語、歌物語の方法を受け継いだ
五十四帖から成る長編である
虚構の方法を追い求めた
清新で優美な文章は和文体の代表とも言える
第一部(桐壺〜藤裏葉)
光源氏の誕生〜彼は権勢と富貴の頂点に辿り着く
第二部(若菜上〜幻)
紫の上が死を迎え、光源氏も死を迎える
第三部(匂宮〜夢浮橋)
光源氏の子孫たちの恋が描かれる
宇治を舞台とする最後の十巻は「宇治十帖」と呼ばれる
『源氏物語』以後の物語
『夜の寝覚』『浜松中納言物語』『狭衣物語』など
『源氏物語』の影響が著しい
退廃的な官能描写や奇抜な趣向も見られる ―『とりかへばや物語』
『堤中納言物語』 ―人生の断面を鋭く描く
歴史物語
歴史的事実に素材を求めているが、かなで記され、物語仕立てである
『栄花物語』 赤染衛門(本編)
六国史のあとを継ぐように、約200年の歴史が編年体で記されている
藤原道長の全盛をたたえることが中心
『大鏡』
道長の権勢とその由来が紀伝体で記されている
『栄花物語』とは違い、鋭い批判意識が見られる
『今鏡』
『大鏡』のあとをうけて、約150年の歴史が紀伝体で記されている
『大鏡』の体裁を受け継いでいるが、
『栄花物語』風の優雅な文体で書かれている