化学 二学期中間範囲
錯イオン
 「非共有電子対を持った分子や陰イオン」と
 金属イオンが配位結合したイオン
 錯イオンを作る金属元素
  典型元素―Al,Zn,Sn,Pb
  遷移元素―Ag,Cu,Fe,(Co,Ni)
 配位子になる分子や陰イオン
  OH-・・・ヒドロキソ
  NH3・・・アンミン
  CN-・・・シアノ
  Cl-・・・クロロ
  H2O・・・アクア
 錯イオンの名前について
  配位子が4つついてたら「テトラ」2つなら「ジ」
  その後に配位子名をつける
  そして金属元素名をつけて、
  できたものが陰イオンならば「酸」をつけて、最後にイオン

 水酸化物イオンと錯イオンを作るもの
  テトラヒドロキソアルミン酸イオン :正八面体、無色
  テトラヒドロキソ亜鉛(U)酸イオン:正四面体、無色
  テトラヒドロキソスズ(U)酸イオン:正四面体、無色
  テトラヒドロキソ鉛(U)酸イオン :正四面体、無色
   Alは1価、他は2価の陰イオン

 アンモニアと錯イオンを作るもの
  ジアンミン銀(T)イオン   :直線  、無色
  テトラアンミン銅(U)イオン :正方形 、深青色
  テトラアンミン亜鉛(U)イオン:正四面体、無色
   Agは1価、他は2価の陽イオン

14族の元素
 C,Si,(Ge),Sn,Pb
 Siまでは非金属、他は金属であるが、
 SiとGeは金属と非金属双方の性質を持つ
  →半導体の材料に使用される
 スズと鉛
  2価と4価の陽イオンになりやすい
  ただしスズは4価の陽イオンのほうが安定
  鉛は2価の陽イオンのほうが安定である
  よって塩化スズ(U)は還元剤となり、酸化鉛(W)は酸化剤となる


 スズ Sn
  単体
   銀白色の重金属、融点が低く、常温では酸化されない
   ブリキや青銅、はんだなどに利用
   酸、塩基と反応する両性元素
   塩基と反応したときは錯イオンを作る
  水酸化物
   水に溶けない、白色
   酸、塩基と反応する両性水酸化物
   塩基と反応したときは錯イオンを作る
  硫化物
   硫化スズ(U) SnS 暗褐色、水に溶けにくい

 鉛 Pb
  単体
   やわらかい重金属 鉛蓄電池、はんだなどに利用
   両性元素
   塩基と反応したときは錯イオンを作る
  化合物
   水に溶けにくいものが多い
    水酸化物 :白色、水に溶けない
    硫化物  :黒色、水に溶けない
    塩化物  :白色、水に溶けない
    硫酸塩  :白色、水に溶けない
    クロム酸塩:黄色、水に溶けない
   ・・・酢酸塩や硝酸塩は水溶性だが、実はそこまで重要でない事実。

 炭素、ケイ素・・・共有結合を作ることが多い
 炭素 C
  単体
   黒鉛    ・・・電気伝導性がある
   ダイヤモンド・・・硬い(共有結合のみでできた結晶だから)
           電気伝導性がない
   フラーレン
    上記三つは同素体である
  化合物
   一酸化炭素 CO
    有毒、無色無臭、水に溶けない
    燃焼性があり、還元性がある
    製法
     @二酸化炭素と炭素を高温で反応させる
     A蟻酸(HCOOH)を脱水する
      触媒として濃硫酸を用いる
   二酸化炭素
    無色無臭
    水に少し溶けて弱酸性を示す→炭酸
    石灰水(水酸化カルシウム水溶液)を白くにごらせる
    酸性酸化物である
    製法
     @石灰石(CaCO3)を加熱分解する
     A炭酸塩に強酸を加える

 ケイ素 Si
  単体
   正四面体構造の繰り返し
   硬くてもろい、半導体の材料となる
   光沢があり金属の性質を示す(高温時
  化合物
   二酸化ケイ素
    正四面体構造の繰り返し
    水素、ケイ砂、石英の主成分
    酸性酸化物である
   ケイ酸ナトリウム
    弱塩基性
    鎖状構造のイオン
    水に溶けにくい構造と水に溶けやすい構造を併せ持つ
    水を加え加熱すると粘性の大きい液体(水ガラス)ができる
   ケイ酸
    水に溶けにくい、白色、鎖状構造
    加熱するとシリカゲルになる 乾燥剤

15族の元素
 N,P,As,Sb,Bi ・・・日本の朝は酢豚とビール、だと。
  ・・・価電子5個、共有結合を作りやすい

 窒素 N
  単体
   無色無臭、空気中に80%(体積で)含まれる
   室温では科学的に安定
   高温では水素、酸素と反応する
   製法
    @液体空気の分留
     -196度で窒素が発生し、-183度で酸素が発生する
    A亜硝酸アンモニウムの熱分解


  化合物
   水素化合物
    アンモニア
     性質 無色、刺激臭、空気より軽く水に溶けやすい
        水溶液は弱塩基性
     製法 @窒素と水素を高温高圧条件で反応させる
         触媒として四酸化三鉄を使用
         ハーバー・ボッシュ法(工業的製法)
        A塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを加熱する
   酸化物
    一酸化窒素
     無色無臭、水に溶けにくく酸化されやすい
     酸化されると二酸化窒素となる
    二酸化窒素
     赤褐色、刺激臭、有毒
     不対電子を一つ持つので一部でN2O4となる反応が起こる
    硝酸
     無色、二酸化窒素の水溶液(保存は褐色の瓶で)
     酸化作用のある酸である
     いろいろな金属を溶かすことができる
     Pt,Auは溶けず、Fe,Al,Niは不動態を作るので溶けない
     製法
      @オストワルト法
       アンモニアを空気と反応させ(触媒白金)一酸化窒素に
       一酸化窒素に空気を加え二酸化窒素に
       そして二酸化窒素に水を加えて作る
      A硝酸塩と濃硫酸を混ぜて加熱

 リン P
  単体
   黄リン(P4) 黄色の固体 空気中で自然発火するため水中保存
   赤リン(Px) 赤い粉末  空気中で安定
    上記二つは同素体である
  化合物
   十酸化四リン
    白い粉末で吸湿性がある
    水を加えて加熱するとリン酸ができる
   リン酸
    酸性を示す(中程度の強さ
    脱水作用がある



16族の元素
 O,S,(Se,Te,Po)・・・価電子6個
 金属元素とイオン結合(2価の陰イオン)
 非金属元素と共有結合

 酸素 O
  単体
   酸素
    無色、無臭 空気中に約20%存在
    化学的に活発であり、酸化物を作る
    製法
     @過酸化水素に二酸化マンガン(触媒)を加える
     A塩素酸カリウムに二酸化マンガン(触媒)を加える
   オゾン
    淡青色、特異臭 成層圏にオゾン層として存在
    酸化作用がある
    製法
     @空気(酸素)を放電するか、紫外線を当てる
    上記二つは同素体である

 硫黄 S
  単体
   斜方硫黄(S8)多面体結晶、黄色、安定
    ↓加熱    ↑放置
   単斜硫黄(S8)斜状結晶、黄色
    ↓加熱、冷水 ↑放置
   ゴム状硫黄(Sx)ゴム状無定形、褐色
   化学的に活発で、硫化物を作る 水に溶けない
   空気中で青白い炎を出して燃える
   燃えると酸素と結合し二酸化硫黄になる
    上記三つは同素体である
  化合物
   二酸化硫黄
    無色、刺激臭の気体 水に溶けて酸性を示す
    水を加えると亜硫酸となる
    還元作用(硫酸イオンになる)がある
    酸化作用(単体になる)もある
    製法
     銅または銀に濃硫酸を加え加熱する(酸化還元反応
     亜硫酸塩と強酸を混ぜる(酸、塩基の反応
   三酸化硫黄
    二酸化硫黄に酸素を加える(触媒は五酸化二バナジウム)とできる
    水に溶けやすく、水に溶けると硫酸になる
   硫酸
    三酸化硫黄の生成後、水を接触させることによって生じる
    これを接触法という
    濃硫酸
     無色の粘性のある重い液体(密度は水の1.8倍)
     吸湿性がある(乾燥剤になる)
     脱水作用があり、酸化作用がある(銅、銀も溶かす)
     不揮発性
     弱酸性
    希硫酸
     強酸性
   硫化水素(分子量34)
    無色、腐乱臭の有毒な気体
    空気(分子量29)より少し重い
    還元作用がある
    水に少し溶け、弱酸性を示す 二価の酸となる
    硫化物はいろいろな金属イオンと有色の沈殿物を作る


17族の元素
 F,Cl,Br,I,(At)・・・価電子7個
  金属元素とはイオン結合、非金属元素とは共有結合を作る
  単体 ・・・すべて二原子分子
   
分子式 F2 Cl2 Br2 I2
常温の状態 気体
淡黄色
気体
黄緑色
液体
赤褐色
固体
黒紫色
沸点、融点 低い ←―― ――→ 高い
酸化力 ←―― ――→
水素との反応 低温、暗所で
爆発的に反応
光によって
爆発的に反応
高温で反応 高温でも
反応が進みにくい
水との反応 激しく反応 一部が反応 左より
弱い反応
反応しにくい
(ヨウ化物イオンが
 いると溶ける)

  製法(塩素)
   @さらし粉CaCl(ClO)に濃塩酸を加える
   A二酸化マンガンに濃塩酸を加え加熱

 化合物
  ハロゲン化水素 水に溶けやすく酸性を示す
  
分子式 HF HCl HBr HI
沸点 分子量は小さいが
沸点は高い
水素結合の影響)
←――→
水溶液の液性 フッ化水素酸(弱酸
・・・水素結合の影響
塩酸
(強酸)
臭化水素酸
(強酸)
ヨウ化水素酸
(強酸)
  製法
   HF ・・・塩化カルシウムに硫酸を加える
   HCl・・・塩化ナトリウムに硫酸を加える


金属イオンの分離と確認

 金属イオンが特定の陰イオンや分子と
 沈殿物や錯イオンを作ることを利用して
 金属イオンの分離や特定を行う

 1,塩化物イオンと沈殿物を作るイオン
  @銀イオン→塩化銀 白色沈殿―チオ硫酸ナトリウム、アンモニア水に溶ける
                 光を当てると黒くなる(感光性
  A鉛イオン→塩化鉛 白色沈殿―熱湯に溶ける
  B水銀(T)イオン→塩化水銀 白色沈殿

 2,水酸化物イオンと沈殿物を作る金属イオン
  @銅(U)イオン  →水酸化銅(U)   青白色
             過剰のアンモニア水に対して溶ける(深青色
  A鉄(U)イオン  →水酸化鉄(U)   淡緑色
  B鉄(V)イオン  →水酸化鉄(V)   赤褐色
  C銀イオン     →水酸化銀      褐色
             過剰のアンモニア水に対して溶ける(無色)
  D亜鉛イオン    →水酸化亜鉛     白色
  Eアルミニウムイオン→水酸化アルミニウム 白色
  F鉛イオン     →水酸化鉛      白色
             過剰のアンモニア水に対して溶ける(無色)
  Gスズイオン    →水酸化スズ     白色
   D〜Gは両性元素
   過剰の水酸化物イオンに対して溶ける

 3,硫酸イオンと沈殿物を作る金属イオン
  @鉛イオン      →硫酸鉛       白色
  Aカルシウムイオン  →硫酸カルシウム   白色
              炎色反応 ・・・橙赤色
  Bバリウムイオン   →硫酸バリウム    白色
              炎色反応 ・・・黄緑色
  Cストロンチウムイオン→硫酸ストロンチウム 白色
              炎色反応 ・・・紅色

 4,炭酸イオンと沈殿物を作る金属イオン
  @マグネシウムイオン →炭酸マグネシウム  白色
              炎色反応がおきない
  Aカルシウムイオン  →炭酸カルシウム   白色
              炎色反応 ・・・橙赤色
  Bバリウムイオン   →炭酸バリウム    白色
              炎色反応 ・・・黄緑色
  Cストロンチウムイオン→炭酸ストロンチウム 白色
              炎色反応 ・・・紅色

 5,硫化物イオンと沈殿物を作る金属イオン
  イオン化列でスズ以降銀までは酸性条件でも沈殿物を作る
  亜鉛からニッケルまでは塩基性条件、中性条件で沈殿物を作る
  それより前は沈殿物を作らない
  硫化亜鉛は白色、硫化硫黄は褐色
  それ以外は基本的に黒色沈殿を作る


周期表中央部の311族の元素が遷移元素
それ以外の元素を典型元素という

遷移元素の特徴
 @単体はすべて金属
 A最外殻の電子数は1個か2
  同周期の元素の化学的性質が似ている
 B融点、沸点が高く密度が大きい
 C錯イオンを作りやすい イオンは有色なものが多い
  例 クロムイオン ・・・緑色  鉄(U)イオン  ・・・淡緑色
    鉄(V)イオン・・・黄褐色 銅(U)イオン  ・・・青色
    クロム酸イオン・・・黄色  ニクロム酸イオン ・・・赤橙色
    マンガンイオン・・・淡桃色 過マンガン酸イオン・・・赤紫色



鉄 Fe
性質
 アルミニウムについで地殻中に多く存在する金属元素
 イオン化傾向が大きく、反応性が高い
 (湿った空気中では酸化鉄(V)となり、強く熱すると四酸化三鉄になる)
 酸と反応して水素を発生する
 濃硝酸には不動態となるため反応しない
 鉄の精錬・・・鉄鉱石をコークスから生じた一酸化炭素で還元する

利用
 軟鉄・・・炭素0.8%以下 比較的やわらかい・・・釘
 鋼鉄・・・炭素0.7〜2.0% 硬い      ・・・レール
 鋳鉄・・・炭素2.0%以上 融点が低くもろい・・・自動車部品
 ステンレス鋼・・・
  鉄とクロム、ニッケルの合金・・・流し台、包丁
 永久磁石・・・
  鉄とコバルト、ニッケルの合金は強力な磁石になる
 使い捨てカイロ

鉄イオンの反応
 
加える試薬 鉄(U)イオン
淡緑色溶液
鉄(V)イオン
黄褐色溶液
水酸化ナトリウム水溶液 緑白色沈殿 赤褐色沈殿
アンモニア水 緑白色沈殿 赤褐色沈殿
ヘキサシアノ鉄(U)
酸カリウム(淡黄色
青白色沈殿 濃青色沈殿
ヘキサシアノ鉄(V)
酸カリウム(黄色
濃青色沈殿 暗褐色溶液
チオシアン酸カリウム水溶液 変化なし 血赤色水溶液
硫化水素(酸性条件 変化なし 変化なし
硫化水素(塩基性条件 硫化鉄(U)黒色沈殿 硫化鉄(U)黒色沈殿

マンガン Mn
単体 性質 銀白色
      鉄より硬いがもろい
      鉄より反応性が大きく、空気中で表面が酸化される

化合物
 硫酸マンガン(U)
  淡桃色 1,4,5,7の水和物が存在する
 酸化マンガン(W)
  過酸化水素の分解を促進し、酸素を発生させる(触媒
  酸化作用がある
 過マンガン酸カリウム
  黒紫色、針状結晶
  水溶液は赤紫
  酸化作用がある

クロム Cr
単体 性質 銀白色で硬い
      常温で安定、酸化されにくい
      メッキや合金の材料として使われる
化合物
 ニクロム酸カリウム
  赤橙
  塩基性にするとクロム酸イオン(色)が生じる
  酸性にすると強い酸化作用を示す
 クロム酸鉛
  色、水に溶けにくい
 クロム酸バリウム
  色、水に溶けにくい
 クロム酸銀
  色、水に溶けにくい

銅 Cu
単体 黄色銅鉱を還元して得られる粗銅を電気分解を用いて純銅にする
   (電解精錬
   粗銅を陽極に、純銅を陰極に用い硫酸銅(U)水溶液を電気分解
 性質 やわらかく、展性、延性に富む
    熱や電気をよく導く
    1価と2価の陽イオンが存在する
化合物
 酸化銅(T)
  
 酸化銅(U)
  
 硫酸銅(U)五水和物
  色の結晶
  加熱すると水和水を失って色の粉末になる

銅イオンの反応  
加える試薬  
水酸化ナトリウム水溶液 水酸化銅(U)の沈殿を生じる(青白色)
この沈殿を加熱すると酸化銅(U)が生じる
アンモニア水 はじめは水酸化銅(U)が沈殿
さらに加えると水酸化テトラアンミン銅(U)
が生じ沈殿が解ける(深青色)
硫化水素 黒色沈殿

炎色反応・・・青緑

銀 Ag
単体 性質 銀白色の光沢を持ち、やわらかく、展性、延性に富む
      酸化されづらく、反応性が小さい
      (硝酸、熱濃硫酸には溶ける)
      食器や装飾品、鏡などに使われる
銀イオンの反応  
加える試薬  
水酸化ナトリウム水溶液 水酸化銀、色沈殿
アンモニア水 はじめは水酸化銀ができるが
過剰量で錯イオンを生じとける
ハロゲン化物イオン 塩化銀 ・・・
臭化銀 ・・・淡黄
ヨウ化銀・・・
チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えると
錯イオンが生じて解ける
光を当てると分解し銀の単体が生じる
硫化水素 硫化銀 色沈殿